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温泉物語り(一)

最初噴湯の一瞬間斯(こ)うして地中の宝庫開発


一年有余
コツンコツンと掘抜いた
当村大荒戸出身
高澤利正技師(中央
黒チョッキの人)の苦心の
効は奏して
一分間六斗五升の
猛噴実況
一升のお酒が熱燗で五分
玉子が五分間でカチカチに
なる熱湯振り

地質調査の恩人温泉地質学の権威
山形高等学校 安斉教授より
(以下本文)
拝復先般は参上仕り意外なる御厚情
を忝(かたじけ)なく有りがたく御礼申上候(そうろう)御陰様にて無事帰校
早速写真作成など仕り候間別便噴湯の
紀念として御送申し上ぐべく候 御笑覧願上候
尚本日御音信により熱湯の大噴出ありたる
を知り誠に嬉しく存じ申候 予期の如く大なる
成果を得て比類なき幸福の前途を展開
されつゝあるを慶賀申上候 今後作業は十分
御注意の上丹念に掘進さるゝ様御祈り申上候
  五月廿二日    安 斉 徹

温泉物語り(二)


狢(むじな)=狸(たぬき)の住居であったと言ふ(う)
巻渕のほとり草深い
太古其(その)まま叢(くさむら)に先づ
小屋を建て櫓(やぐら)を作り
そしてボーリング開始
村人の驚きと嘲笑も
無理からぬ事ながら
朝早くから夜遅く迄
コツンコツンと鑿(のみ)の音は
聞えて居る


発動機を据(すえ)付け
松之山式掘鑿(くっさく)の諸準備
は万事終り
鑿(のみ)の手入は寸法を正しく
して愈々(いよいよ)噴湯を目標に
勇気を鼓(こ)して地下へ
向って一歩一歩進んで
行く・・・

五吋(いんち)の鉄管をふせて
太縄に楫(かじ)取り棒をさして
それが発動機運転開始と
共にクルックルッと回りながら
鑿は1日に多い時は十尺以上
少ない日は僅(わず)か四・五寸で
終わる様な泥土を縫ひ岩盤を
突抜いて温泉の様な汗を
搾(しぼ)りつつ活動の連続

温泉物語り(三)


温泉が五月六日に
噴湯 其の月の
二十三日には別館の
上棟式挙行と言ふ
スピードアップの建築も
安斉先生の指導に
依る事であって権威者
に絶対信頼の賜である


新築祝は形ばかりの小
宴ですませ国防献金に
費用はあて
開業は一年有半後に
温泉報国
健康報国>を旗印にして・・・

以前の雨溝(あまみぞ)川、今の天水川
の小川の中に五月下旬から
美声を発して一極山の出湯
を思はしめる河鹿は鳴く
      澄切った
月夜には一層声を張り上げ
て誰を呼ぶやら
熱心の事である